レザークラフト「ロングウォレット」を作ってみる #03
さあ、続けて内側のパーツの革も切り出していきます。
同様に型紙を重ねて印をつけ、カッターで切ります。カッターは一回の動作で切ろうとせず、数回繰り返して切るようにすると無理な力を入れずキレイに切れると思います。
ただし、薄いもの(紙や、コンマ何ミリの革など)は一発で行ったほうが1回めと2回めのズレに注意しなくてもいいのでカンタンです。
ちなみにキレイに切るコツですが、定規を当てる力を強めにして(絶対に動かさないように)、カッターを定規にあて、最初の1センチぐらいを「グッ」と強めに入ります。
そのまま止まらずにスムーズに刃をすーっと手前に引いてきます。(力は最初よりは少し抜く)
これは、最初の入りがどうしても弱くなってしまって、少し下が繋がってしまいがちになるのを防ぎます。一旦下まで貫通すると、あとは切れやすいのです。(紙を切るときでもなんでも同じです。)
どんどんパーツを切り出していきます。曲線などはフリーハンドになりますので慎重に。
元々が20cm×30cmに四角くカットされた革なので、できるだけ取り分が無駄のないように考えて配置します。
とはいえ、汚いところがオモテに出てこないように、銀面(革のキレイなほうの面)もちょくちょく見てチェックしながら並べます。
全部カット出来たら、実際に重ねてみます。
フラップ側(開けたときに向かって右側)の重なりはだいぶキツそうですね。。。9枚の重なりです。
ぐぐーっと曲げてみると、こんな感じに。
さてここで、ちょっと話が戻りますが、革にはウラオモテがあります。
優しそうに見えたのに、実は… とかそういうのではなくて、普通のウラとオモテ。
キレイなほうのオモテ側を「銀面」といい、反対側のガサガサしたほうを「床面」といいます。
さて、ようやく革の切り出しが終わりましたので、ここから作り方PDFファイルの01の説明です。
今回は一番外側の大事な革のところは、2枚の革を貼り合わせるのですが、そうすることで外側も、内側も銀面にすることが出来ます。
型紙でいうと、01と02ですね。
ぴったりとそのままくっつけると、財布の形状に折り曲げたときにつっぱってツラいので、少し曲げた状態で貼りあわせます。
(難しい場合は、そのまままっすぐに貼り合わせてもいいです。最後に曲げるときに内側に多少シワが強めに出るかも知れませんが大丈夫です。)
木工用ボンドを革の周囲に塗り(中央部分には塗らないように)、ぐっと押さえて接着します。ただし!気を付けて!ぐっと押さえるときに、凸凹したもので押さえてしまうと革にキズや跡が付きます。特に銀面にはキズを付けないように細心の注意を払ってください。
上の写真の矢印のように、折り曲げているぶん内側がはみ出します。完全にくっついてから、はみ出しているところはカットします。
ぴったりとくっつきましたね。多少部分的にはがれていても、最終的に縫いますので取れなければ大丈夫です。
断面の厚みを見てみると、4mmちょいあります。分厚いですが、これくらいのほうがヘビーなイメージの硬派でイカしたウォレットになりますので…。
次に、作り方説明書では触れていませんが、ヘリ落としでヘリを落として(そのままや!)おきます。
ヘリ落としのV字に切れ込んでいる部分を革の断面の角に45度の角度であてて、すうっと押してやると。
こんなふうにしゅるしゅると角が取れます。モデラー的に言うと、カンタンにC面が出来ます。CG屋的に言うと、カンタンにベベルが付きます。
分かりにくいので比較写真です。
こんなふうに角が取れてキレイになったらOKです。
次はステッチンググルーバーです。次々に道具が登場しますね。
ステッチンググルーバーは、縫う箇所を、あらかじめ溝のように掘っておくための道具です。溝を掘ることで、糸が革の面よりも外に飛び出ないので、なにかにガサッとあたったりしても縫い糸が切れたりしないですし見た目にもスマートな感じになります。
使い方ですが、まず先端のL字に折れ曲がった先に丸い小さな穴が開いています。その周囲が刃になっています。
それで、中程にローレットが切ってある部分がネジになっていて、緩めたり締めたり出来るようになっていまして、これを緩めてからL字の金具を動かし、幅を調整するわけです。
幅を3mmに調整し、試しに要らない革で掘ってみます。掘ってから、実際に端から何ミリ離れているか確認し、溝のセンターが端から3mmであることを確認し、実際に使用する革で本番です。
このように、作り方01の革の周囲に溝が掘れました。
長くなって来てしまったので、今回はここまでです。次回をお楽しみに!!
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ふーむ。
と、記事を読みながら、自分が今使っている革製の財布を眺めてみると、
「おおっ。こんなふうに作っていたのか!」
と、新たな発見が。
革製品の職人さんって、すごい技術者なんですねぇ・・・。
Kiyさん 新しい気付きのきっかけになったようで良かったです。職人さんはみんな凄いですよね。
お聞きしたいのですが
ステッチンググルーバーで角のRになってる所をやると
直線とズレてグチャグチャになってしまうのですが
何かコツがあるのでしょうか?
Rockさん
角のところ、難しいですよね。長さでいうとほんの少しですので、顔を近づけて慎重に丁寧に右手を回しながら線をつなぐようにするといいと思います。