ランボルギーニ・ミウラ#14塗装と静電気

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みなさんおはようございます。
 
さてそろそろミウラは塗装に入るのですが、今回は今までは書くことがなかったことについて詳しく書こうと思います。

 
それは「静電気」についてのお話です。ちょっと長いですが、興味のある方はお読みください。

 
 
塗装という工程において、実は避けて通れないもののひとつに「静電気」というものがあります。

 
昔は塗装の際に静電気なんて気にしたことがなかったのですが、同じやり方をしているのに、どうしてもメタリックのムラがいつもと違ったりすることがあって、何が原因かよく分からないままやり直したりしていたのですが、とある日、仕事で印刷工場に出向いたときに天井に霧吹きのような、ミストシャワーのような機械がついていて、湿度をある程度高く保っているシステムになっていました。

 
 
【静電気の影響】
 
なぜ湿度がそれほど重要なのかと聞いてみると、それは静電気でした。

 
静電気が発生すると、ここでの詳しい説明は省きますが、いろいろと機械や仕上がりに不具合が起きたり、事故が起きる。そのために、湿度を高く保つことで静電気を予防し、安全性や品質の向上を実現しているのでした。

 
※湿度が高くなると、さまざまな物質表面の水分量が増し、そのため物質表面の電気伝導率が上がり、大気中に分散され帯電電位が下がるそうです。冬場、乾燥しているとバチっとくるのはその逆。

 
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【塗装と静電気】
 
調べてみると、どうやら塗装にとっては静電気は大事な要素のひとつのようです。
(静電塗装という、静電気を利用した塗装方法(金属への塗装)がありますが、ジャンルが違うので今回は触れません)塗装の業界でも、静電気対策のために加湿システムを備えるところが多いそうです。塗装前に脱脂するときに布などで擦ると、余計に静電気が発生し、逃げません。そのため、主なトラブルである「ゴミの付着」だけでなく、「塗装ムラ」を引き起こすこともあるようです。

 
ただし、加湿すればいいかというとそういうわけではなく、エアブラシから水を吹いたり、塗装がはじいてしまったりというトラブルもあるため、現実的には、静電気だけをうまく逃がしてやる方法が必要です。

 
 
【そもそも静電気とは】
 
冬場によくある、知らないあいだに帯電していて触るとバチっとくるあれですが、いつのまに電気が出来ているんでしょう?

 
実は、物と物がくっつくと電子が移動します。そのとき、電子が離れてしまったらプラス帯電、電子が多くくっついてくるとマイナス帯電になります。

そして、くっついたものが離れるときにも静電気が発生します。これが剥離帯電といいます。

その他、下敷きで髪を擦る実験は誰でもやったと思いますが、これが摩擦帯電。……などなど、いろんな、たったこれだけで?というようなことで静電気が発生するのです。

ですので、様々な作業をしていると、知らないあいだに静電気が発生していて、なかなか逃げてくれない。そして、それがトラブルを引き起こす原因になっているのです。

 
 
【除電する方法】
 
さあ、前置きがとても長くなってしまいましたが、塗装前にこの憎い静電気を除去する方法です。

 
ちょっと話が飛ぶようですが、ここを読んでくださっている皆さんは、世代的にLPレコードなどを聞いた経験がおありでしょうか……? 実はLPレコードは現在じわりじわりとブームになってきていまして、Technics(テクニクス)ブランドから新しいレコードプレーヤーが発売されたり、一部のアーティストがLPを出したり、近年とても活発になってきています。

 
このレコードというものは、とてもアナログで、円盤に溝がギザギザと彫られていて、そこを針が通るときの振動を音に変えるという(カンタンな説明でスミマセン…)テクノロジーなのですが、そんなわけでホコリがとても大敵になります。また、ホコリだけでなく、静電気自体が敵になります。

 
ですので当然のように、レコード向けに、静電気を除電するためのブラシが売られているのですが、このブラシは普通のブラシではなく、毛の素材が静電気を逃がすための特殊な素材で作られています。各社からさまざまな種類のものが発売されていますが、その中で最近オーディオマニア向けの雑誌で頻繁に取り扱われる除電ブラシがあります。

 
アナログ・リラックス除電ブラシ
それがこれ。「アナログリラックス・除電ブラシ」です。これは今までの除電ブラシと少し異なり、毛の内側にめちゃくちゃ細い除電繊維が入っていて、長いこと使っても除電性能が衰えにくく、ホコリをすごく効率的に除去出来る性能も持っています。

 
analogrelax-brush02
この見たこと無いような細い毛一本一本の、内側に除電繊維が入っています。この繊維はクリーンルームなどで産業用途として使われていたものを、民生用のブラシとして初めて採用したものだそうです。
 
オーディオマニアからは「音が変わる(良くなる)」と絶賛されているブラシです。(プラモ用道具として考えてしまうと凄く高価ですが、他社から発売されているブラシも同じぐらいの値段のものがありますので、おそらく毛の原価が高価なのだと思われます。)

現在発売されているプラモデル用の静電気防止ブラシというのは、主に、完成品についたホコリを取るというのが目的です。
 
それに対してこれは、もちろん完成品のホコリをなでるだけで取り去りしかも再度付きにくくする、ということにも使えますが、それだけではなく、塗装前のパーツをこれでひと撫ですることで美しく塗装しちゃおうという理由で使用しています。

 
レコード専用に開発されているので、カタチが…ちょっと複雑な形状のものには使いにくいですが(奥まったところには届かない&基部の固いところをパーツにヒットさせてしまう)、今回のミウラのボディのような形状や、組み立て前の小さなパーツ等には問題なく使えます。
 
また今回のミウラのまつげのような本当に小さなエッチングパーツをピンセットで組み立てる際、静電気のせいでパーツがゆらゆらすることがあったり、ピンセットの先にホコリがついてきてしまうことがあるんです。その際に、ブラシを横に置いておいて、ピンセットの先をササっと当ててから作業することでホコリを除去してから作業することが出来ました。

 
一度付着したホコリは、静電気があると払ってもまた吸い寄せられて付くのですが、除電ブラシだと違う結果になります。下はテストしたときの動画です。

 

 
プラモ作っている途中に、ほんとうに小さなホコリくずみたいなのが表面についていて(特に黒っぽい塗装だとよく見える)、息をフーっと吹きかけても取れなくてツバがかかってしまうことありませんか?(それは無い!)
でもなかなか取れなくて、ストレスになることもあると思いますが、そんなときにも便利です。
 
制作途中の写真を撮っている方も、撮れた写真を見てみると小さなホコリが付いていて気になることないですか?私はこれを使ってホコリを除去してから撮影していますが、写真を見ていただければ分かるように、あまりホコリは付いていないと思います。

 
「ホコリ取り」という目的だけでなく「塗装前の除電」ということで、今回のミウラの塗装でも使用しています。
その塗装編は次回から!お楽しみに。

  
記事を読んでいただいて面白いと思ったら、下のバナー2つ(ガンダムとアルピーヌ)をたまに押してくださいm(_ _)m

とりあえず今回はここまでです、次回をお楽しみに~!!

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6件のフィードバック

  1. オレンジ より:

    凄い!!
    これは欲しいです。

  2. kenji@管理者 より:

    オレンジさん ありがとうございます。なんとか模型用にならないか考えていますので、その暁には是非…。

  3. コハシオ より:

    こういう物の存在自体知りませんでした。
    家電量販店とかにも売ってるんでしょうか?

  4. kenji@管理者 より:

    コハシオさん いえ、家電量販店にはないと思います。販売店はまだ限られているようなので、オフィシャルサイト等を確認いただくといいかと思います。http://analogrelax.com/

  5. 匿名 より:

    今回は本気で塗装するつもりです
    頑張りまーす

  6. kenji@管理者 より:

    匿名さん よくわかりませんが頑張ってください!

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