本組み/合わせ目を消す~スジ彫り
06. 本組み/合わせ目を消す
これまでに立てた計画をもとにようやく本番の組み立てを始めます。 仮組みをした場合はパーツを外し、接着剤を使ってパーツを付けていきます。
昔はプラモデルには小さな金属製チューブのドロりんとしたものが付属していたものですが、最近はそんなものは入ってなくて、別売のものを買わないといけません。(接着しなくても一応組み立てられるようになっているのが多くなってます。)
でも、チューブ入りのものは、古いキットだと乾燥してしまって中身が入ってなかったり糸をひいたり散々な目に会ったりしましたので、むしろ別売の接着剤をユーザーが使うようになって正解ではないでしょうか。
基本的なコトですが、接着剤を塗るとき、パーツの外側の大事な部分に接着剤を付けて余分な所まで溶かしてしまわないように、接合面の内側から外側に向かってハケを動かします。 はみ出しを気にするあまり、接着剤の量が足りないとだめですので、しっかりと断面全部に塗ります。


矢印の方向にハケを動かします。
次に接着剤で付けた2つのパーツの「合わせ目」を消します。


合わせ目ってコレですよ
そのプラモデルが最近のものでしかも日本製の場合、合わせ目はほとんど段差のない状態かも知れません。その場合は、ギュッとパーツをくっ付けて、ドロドロと接着剤がはみでた部分が固まったのち、耐水ペーパーで(#600や#800から#1000まで)順番にペーパーがけをします。ツヤあり塗装の場合は#1200までかけましょう。
僕は、#800から始めてそこそこ段差が取れたと思ったら#1000をかける、という具合で行なうことが多いですが、それは人それぞれですので自分がオッケーと思った所までやりましょう。
輸入モノのプラモで、どうにも合わせ目がヒドいというキットの場合はパテ盛り、#400や#600の耐水ペーパーが欠かせません。
合わせ目に対して直角にペーパーを動かします。合わせ目に沿って平行にペーパーを動かしても段差はなかなか消えません。
段差がキツイ場合、タミヤのパテ(グレーのラッカーパテ)を合わせ目部分に強く塗り込み、完全硬化後、同じように順番にペーパーがけをします。パテが古く、かたまり気味だと思った場合はラッカーうすめ液でパテを溶き、柔らかくして塗り込みましょう。

昔からの定番。グレーででこぼこが見やすい。
(ラッカーパテ以外にも瞬間接着剤等を利用して段差を消す方法もあります。自分の好みの方法でやりましょう。)
さて、盛ったプラパテが硬化してるかどうかを確かめるときは、パテ面に爪を立ててみましょう。爪あとが付かなくなったら硬化しています。
段差が激しい場合、一度のパテもりではパテ硬化後、ヒケる(パテが硬化してややしぼむ)ので、一度硬化したあとに重ねて二度め、また硬化して三度め、というように必要に応じて重ね盛りをしたのち、硬化後同じようにペーパーがけをしましょう。1ぺんに厚く盛ってはいけません。
爪で合わせ目をなぞって滑らかになっているようでしたら、とりあえず良しとしてプラサフ(サーフェーサー。下地。)を吹いてみます。このとき、指のひら(?)で合わせ目をなぞっても指のひらは柔らかくてよくわかりません。爪と目視で確認。特に私の指のひらは柔らかいです。
サーフェーサーのグレー色は、表面の細かい凹凸をクッキリと目立たせます。合わせ目がちゃんと消えているか、もう一度チェックし、消えていなければ再度ペーパーがけをします。くじけずに、がまん、がまん。
ここでのがんばりが完成度に大きく影響します。
いくらここで説明されてる通りにやっても、塗装後にうす~く合わせ目が残る!という方は、 接着がしっかりとされていないか、パテが完全乾燥する前に研摩しているかもしれません。接着剤はしっかりと塗り、パテはちゃんと乾燥させましょう。
「接着剤は薄くつけてはみ出させないのが美学」的な風潮がなぜか小学生時代(20年くらい前?)にはありましたが、しっかりと付けたもん勝ちです。はみだせば削ればいいのです。
パテは暖かいところにあると早めに乾燥しますので、こたつの中に入れるといいかもしれません。 (チワワやポメラニアンなどの室内犬がいる家庭は注意が必要です。知らない間に噛み跡だらけで、未知の敵にやられたガンダムみたいになります。) 最後は爪をしっかりと立ててチェックしましょう。
07. スジ彫り
「06.」で合わせ目を消したことによって、まわりのスジ彫りが巻き添えを食って消えてしまうことがあります。

消えてしまったスジ彫り
また、キットに最初から入っているスジ彫りを生かすのが一番ラクですが、古いキットの場合「スジ彫り」ではなく「スジでっぱり」になっている場合があったり、スジ彫りが太っている場合があったりします。
このような時は、一度消してから彫り直す作業が必要になりますが、コレが思ったより難しい。


カッターの背でけがいてからPカッターなどで彫る方法
いきなり何もない所にスジ彫りは難しいため、一度カッターの背(刃先が折れた使い古しなどが意外とイケる)などでけがいてから(あとを付けてから)Pカッターなどで彫ると比較的ラクにまっすぐ彫れます。
Pカッターは、力を抜いて少しずつ傷をつけるように繰り返し使うのがコツです。
しかし最近僕はデザインナイフの刃先の折れたもの ( or 0.5mmほどペンチでわざと折ったもの)の背側で最初から最後まで彫ることが増えてきました。まれにすごく細くキレイに彫れる逸材が出来上がったりします…。


デザインナイフの背を使って彫る方法
また、「スジ彫りのみ」に注目しすぎると、全体とのバランスを見失ったり、逆効果になってたりするのに気付かないことがあると思います。ひろい面に、ただスジが彫られているだけではなく、スジのすぐ近くに別 のディテールが存在していたり、と様々なディテールとの調和で「カッチョイイ」処理が完成します。
大スケールのモデルではスジ彫りも細く、シャープで精密感にあふれた感じがしますが、小さなものになればなるほど、相対的に考えるとスジ彫りの溝は太くなり、また少しの歪みが大きく増幅されることになります。
(1/60のプラモデルの0.5mmのズレは、それが実在したとすれば3cmになるのに対して、1/144のプラモデルの0.5mmのズレは、それが実在したとすれば7cm2mm(!)になります。)
小さなものになればなるほどスジ彫りしにくいにもかかわらずコレですので、小スケールは大変です。
上の数字をそのまま使うと、1/144での0.5mmのスジ彫りは、7cm2mmの溝ということになりますので、かなりたてつけの悪い状態です。
しかしそこはプラモデル。ある程度のデフォルメが必要ですので
「実寸で3mmの溝とすれば、1/144なら0.02mmの溝か!ようし!」てな感じで頑張るのはよしましょう。たぶんなんだかわかりません。
きれいにスジ彫りを引くには、いくつかキモがあるようです。
キモは、まっすぐに引くということと、同幅で引くということです。線の途中で溝の幅が変らないように、カッターを引く時は力を均等にしましょう。
「まっすぐに引く」とは?
ボールペンで線をまっすぐに引くにはどうすればよいでしょうか? 定規をあてて引くか、一気に引くか、です。(そうなのか?)
ゆっくりとペンで直線を書くと、微妙にふるえた線になるはずです。なので、スジ彫りも定規を当てて引くか、フリーハンドで一気に引きましょう。ただし、最初から強い力で引くのではなく、フェザータッチでシュッ という感じで、うっすらと線が見えるくらいでいいです。これを何度も繰り返して徐々に彫り進んでいきます。
ちなみに、僕は結構一気にフリーハンドでしゅるしゅるっと彫ってしまうのですが、初心者の方は丁寧に定規代わりのものを当てて、弱く・繰り返し行なう方が失敗が少ないようです。
0.5mm厚のプラ板を小さく切ったものに両面テープを貼り付け、定規替わりにします。ダイモテープ(文字をタイプするプラスチックの粘着テープ)を使う人もいます。ダイモテープは粘着がそこそこしっかりとしていて、テープ自体も固いプラスチックなので、定規代わりに使うには大変便利。不安な方はセロテープ(3Mのクリアテープがオススメ)でしっかりと止めてください。
もしも一気に引く際、目標地点を大幅に通り過ぎてしまう可能性が高いので、ストップさせたい部分にプラ板などで当て木をしてせき止めます。
また、カッターなり、けがき針などの刃の向きが微妙なズレ方をしていると、引きはじめからいきなりあさっての方向にスジを引いてしまうので注意が必要です。


0.3~0.5mmくらいのプラ板をガイドに
「一気に引くと、失敗するよ~」という方は、プラ板を小さく切ったものをガイドにして、デザインナイフの背やけがき針などで薄く線をけがき、何度もくり返します。
また、買ったままのP-カッターだと、溝が太くなりがちなので、やすりなどでP-カッターの刃をシャープに成形したりするといいですよ。
さらに、仕上げのサーフェイサーでシャープな溝をダルくしてしまうこともありますので、サフ吹き後にもう一度彫り直すなどの手間をかけると、仕上がりに差が出るはずです。
→ 次は「塗装~デカールの貼り方」ですよ
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