制作と製作の違いについて
このサイト「図解!なんでも制作日記」は、おかげさまでよくいろんなサイト様からリンクをしていただくことがあります。
その際、サイト名を「~制作日記」ではなく「~製作日記」と間違えられる場合が多々あります。『制』と『製』。
もともと自分の中では、「卒業制作」という言葉に「制」を使っていたことから、「制作」には「創造的な雰囲気」があり、「製造工場」などの言葉に「製」が使われていることから、「製作」には「作業的な雰囲気」(ただ手を動かして作るイメージ…発想を伴わない)がありました。
なのでサイト名には当たり前のように「制作」を使ったのです。 こちらとしては、それほどのこだわりもないのですが、一応名前なので、間違いに気が付いたらたま~に言う場合もあります。会話のきっかけとして。
サイト名を間違えたある方は、「制作は平面で、製作は立体だと思ってました」という発言をされ、なるほど個人個人でいろんなとらえかたを持っておられるのだ、と納得したものでしたが、本当のトコロはどうなのか、辞書で引いてみることにしました。
角川から出ている「新字源」という渋い漢字辞典が家にあるので、それで「制」と「製」をそれぞれ引いてみると、、、。(以下、引用)
「制」
もと、刀とこえだのある木の形とから成り、木を切り整える、ひいて、さばく、「おさえる」意をあらわす。
以下、いろいろと詳しい説明…
そして、同意として「製」が載っています。
「製」
制に衣を増し加えて、制と区別し、おもに、衣を切りそろえる、ひいて、「つくる」意に用いる。
以下、いろいろと説明…
意味として「衣服を仕立てる」というものがあるようです。
…これだけでは、やっぱりイマイチわかりません。
もう少し砕いた書き方の辞書を探して見ました。 そこで、Webで引ける辞書、三省堂の[Web Dictionary]で「制作」と「製作」を引いてみると、
せいさく [制作]
〈スル〉 (芸術)作品を作ること.
せいさく [製作]
〈スル〉 物品を作ること.
とありました。まさに、こちらが求めていたとおりの答えを発見。
括弧書きでわざわざ「(芸術)」と書いてあります。クリエイティブな要素があるということでしょう。
誇張していえば、ひとつのクリエイティブなものづくり=制作で、ベルトコンベア作業やルーティンワーク は「製作」ということにして自己完結しておきます。
以上。
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いつも楽しく見させていただいております。
ありがとうございます。
このサイトがなかったら、プラモ作っていません。
実は、著作権法でも「制作」と「製作」を使い分けてます。
「2条1項10号 映画製作者 映画の著作物の制作に発意と責任を有する者をいう。」
「(映画の著作物の著作者)
第十六条 映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、『制作』、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。 」
2条1項10号「映画製作者」での衣つきの「製作」は、産業的な感じがします。そして衣なしの「制作」は、創作性を発揮してるニュアンスを出しています。
また、16条の衣なしの「制作」はディレクターの仕事内容を指しています。
いずれにしろ、衣なし「制作」は創作性を表し、
衣つきの「製作」は産業的な感じを表しているので、
図解なんでも制作日記さまと同じ解釈ですね!!
>お世話になっていますマンさん
はじめまして。いつも見ていただいてありがとうございます。
詳しい解説と考察…大変参考になりました。やっぱりそういうニュアンスがあるのですね。
また面白いコラムを書けるようにがんばります~。
1つ追加すると、製作は作る人間の意志が尊重される場合、制作は作る権力の意志が尊重される場合だと云えます。つまり、作品を管理者側は本来”制作”する側で、作品を産生する側が、本来の”製作”する側ですね。ですから最近流行りの”製作委員会”と云う言い回しは、”作品を産生する”側としての命名呼称です。但し、資金を出したりするし、実際の産生現場に対して色々と強制力を持つので、実質は”制作委員会”と呼ぶべき存在でしょう。模型界隈でこんな制度は要らないと思いますよ。