YZR500’89 (OWA8) C.Sarron#08 シルバーの塗装
どうもみなさん、こんにちは。
いや、暑いですね。。。我慢しないでエアコンかけないと、室内でも熱中症になるらしいですので、みなさんも気をつけて。
さて、サロン車のフロントブレーキは、89シーズン通して大きく分けて2パターンあります。
1. 見た目普通のスチールディスク仕様
2. 見た感じ普通じゃないカーボンディスク仕様
せっかくサロン車を作るので、カーボンにしようと思います。ただ、どのレースでどちらの仕様か、というのがまたわかりにくい。
いろんな写真とにらめっこしたのですが、予選と決勝が違うとかやられると、もう本当に混乱します。
そして、タバコデカールがNGのGPもありますので、そこの整合性もとっておかないといけない。(当然、タバコデカールが入ったものにしますので。)
結局、サロンの本国であるフランスGPはカーボン仕様のようで、タバコデカールもアリですので、フランスGP仕様という感じで作っていくことにしました。
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さきほどの最初の写真から、下の写真 ↓ のように、ディスクをリューターで削り込んで薄くし、ついでに同心円状のキズをつけます。
表面のポッチが消えましたが、あとでなんとか再現します。
これぐらい薄くなりました。
さて、そろそろ塗装に入らないと進めないところが出てきましたので、時間が取れるときに塗装をやり始めます。
精密感を出すために、基本的にエアブラシで塗装します。
前のパラス・アテネを作ったときに、最後のほう動きが渋かったので、今回のバイクの塗装前に、一度適当にバラしてうすめ液でキレイにしておきます。
ノズルなども外せばいいのですが、そこは大丈夫っぽかったのでそのまま。レバーの周辺をキレイに。
さて。始めます。エンジン周りなので、シルバーが基本になります。
【シルバーの塗装について】
シルバー系の塗装をする際、下地にツヤあり黒を塗ればいい というのがありますが、これは、なんでもかんでも下地に黒を塗ればいいというものではありません。
まず、おさえておかないといけないことは、シルバーには粒子感がありますが、これは塗料が違うと粒子感が違う、塗料が同じだと粒子感も同じ というのは誤りです。
シルバー(メタリック)は、対象の下地の状態で塗り上がりの粒子感が変わります。
クレオスの無印の「シルバー」は、下地をツルツルにしておくと、塗り上がりがアルミのような、白っぽい上品な質感になります。粒子はほとんど目立ちません。
下地を少し、ツヤ消しの荒れたような感じにしておくと、すこしメタリックのような粒子感が立ってきます。つまり、表面の状態で粒子感のコントロールをします。
安いですがとても使える塗料で、まさにシルバーの基本です。
下地をツルツル(ツヤが出るくらい)にしておくと、アルミのような雰囲気が出ます
ラジエターのあたりの質感などにちょうど良い感じです。
そこから、もう少しギラッとさせたい場合、「Mr.カラースーパーメタリック」の「クロームシルバー」や「ステンレス」を加えます。
「ステンレス」は少し暗い感じになります。
さらに、黒っぽい調子の黒鉄色系の色には、「ブラック」を適宜加えるのですが、「フラットブラック」を加えてツヤを抑えた黒っぽいシルバーにしたり、「オリーブドラブ」を加えてシルバーに少しグリーン系(イエロー系?)の色みが差したようなカラーにしたり、色々なシルバーを使っていきます。
オリーブドラブはツヤ消しの38にしました
ツヤに関しては、エンジンブロックなどは実はそれほどツヤがなく、メタリック系の塗料そのままだとテカって実物と差異が出てきます。
上で書いたように、フラットブラックを加えたり、オリーブドラブのツヤ消しなどを加えると、それっぽい色に近付いてきますし、もっとフラットにするのであれば、適宜フラットベースを加えてツヤを消します。
以上が、最初シルバーの塗装と言いましたが、金属自体の質感を表現するための方法です。
これらとは別に、メッキ系の、映り込みのあるようなキレイなシルバーの場合、塗料の選択が変わります。
よく使われるのは、アルクラッドのクロームや、クレオスのメッキシルバーNEXT、などなど他にもあるようですが、これらの塗料の場合は下地をツヤあり(テカテカ)の黒にしておき、その上からエアブラシで塗装する必要があります。
なぜツヤありの黒にしておくかと言うと、クロームメッキというのは鏡のように、周囲の色を反射する状態です。
つまり、それ自体の色は無く、映っている周囲の色です。鏡なので。
それ自体の色はゼロにしておく。そこに、映り込みの状態を作り出すということです。
色をゼロにするというのは、三原色RGB(赤緑青)R=0,G=0,B=0にする、つまり黒です。ツヤありにするのは、反射は面が平滑でないと実現しません。面が平滑ということはツヤありであるということです。
もし、これらメッキ表現系の塗料を、キッチリと下地が完全に隠れるように塗るのであれば、下地の色味自体はどうでもよいのかも知れませんね。ただし黒にしておくと、うっすらとメッキ系塗料が透けていても、それなりのメッキっぽさが出ますので、やはり黒にする意味はあると思います。
前に組み立てたレーシングスタンドですが、無印シルバーで塗装しました。レーシングスタンドは大抵ボロボロに使い込まれるので、その後ウェザリングを施してあります。
細かいパーツも出来るだけまとめて塗装したいところですが、たくさんパーツがありすぎて忘れてしまうことが多々あります。(写真は割り箸にナイスタック)
こちらはホイールです。
金色は、赤っぽい派手な金色と、黄色っぽくて大人しい金色など色々あります。
今回、右の「GXブルーゴールド」だけでは大人しすぎるかと思って、左の普通の「ゴールド」と混ぜようかと思っていましたが…、試しに塗ってみたところ「GXブルーゴールド」のみでとてもキレイでいい感じになりました。初めて使いましたが、これはとてもいいです。
スイングアームです。シルバーを吹いたあと、マスキングしてチェーンアジャスターのところを塗装。
フレームも同様です。それほどギラつかせないように注意。つまり、下地の黒などは吹かず、そのままシルバー。マスキングして、ステップ周りのみ色変えて塗装。
追加した溶接跡のところです。
フロントホイールのシャフトのところ、赤いパーツがあります。シルバーのあと、クリアーレッドで。
同じ色はまとめて塗装しようとしてもどうしても忘れてしまいます。汗
エアブラシは、1色ごとに洗浄して塗るのがいいのでしょうが、それだととても面倒です。
ですので、例えばシルバーを塗装後、残った塗料を塗料皿等に戻してそれに黒を混ぜて暗いシルバーを作り、それをエアブラシのカップへ。
ニードルをぐっと引いて、一瞬だけエアブラシの口をおさえてうがいさせて混ぜる。
そして、0.5秒ぐらい、雑巾かなにかに勢い良くブワッと吹付けます。これで残ったさきほどの塗料が外へ出ますので、暗いシルバーが出てくるのを確かめて塗装。
さらに吹き終わったら、また同様に塗料を塗料皿に戻して、黒鉄色を作り、、、といったように、洗浄することなくどんどん違う色を吹いていきます。
ところで、全然違う色を吹きたくなったとき。キチンと洗浄してから行なうのが一番です。が、、、。
1. エアブラシのカップに残った塗料を捨て、キレイなうすめ液をカップへ少し入れます(スポイト1回)。
2. うがいさせてから、汚いうすめ液入れにうすめ液を戻す。(キレイなうすめ液ビンと、汚いうすめ液ビンを用意しておこう。一軍と二軍みたいな。)
3. カップの中をティッシュでキレイに拭いてから、ニードルを出してキレイに拭く。
4. エアブラシの中に残ったうすめ液を雑巾かなにかに向けてバスっと吹く。
5. もしこれでも気になるなら最後にキレイなうすめ液をちょっとだけカップに入れて、バスっと吹く。
これで、違う色も吹けます。
エンジンブロックです。塗り分けが面倒ですが、マスキングしてキチンとやりましょう。
ただし、このキット、色の指定が結構適当です。88年のものを流用しているからか、違うチームの色と同じだと思っているのか、間違った指示が多々ありますので、写真や資料などを集めて、自分で色を作って塗装したほうがいいかも知れません。
では、今日はこれで終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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メタリック系の塗料ってほんと面白いですよね。
塗り重ねたりしても仕上がりの表情が変化するし。
狙いどおりに仕上がるかどうかはまた別の話ですけど。
Kiyさん 奥が深いからこその楽しさがあり、難しさがあり、達成感があり…
塗装は面白いです。