第二回「1/12 DUCATI900 M.H.R.」
4. エンジン
前置きでもさんざん書いた特徴的なエンジンです。ブロックとヘッドをつなぐようにパイプ状のものが走っています。バリがひどいため整形しなければならないのですが、円柱を磨くのはめんど…至難の技なので、プラパイプに置き替えてラクします。
この周辺のパーツはクロームシルバーの中でも明るめのもので塗装します。
バイク模型に限らず、車模型などでも「メッキの表現をどうするか」というのはモデラーの鬼門のひとつです。 各社からいろんなシルバー系の塗料が出ています。やはり純粋な「メッキ」の輝きにはかないません。しかしそこそこのモノも最近はあるようです。
今、持っているものを見てみました。メッキっぽい表現にかぎらず、さまざまな金属表現に使える塗料です。
クレオスの普通のシルバー(8)、
同じくスーパーシルバー(エアブラシ用-159)、
Mr.メタルカラーのクロームシルバー(211)、
Mr.カラースーパーメタリックのクロームシルバー(SM06) 、
同じくスーパーステンレス(SM04) 、
アルクラッドのアルミニウム、
タミヤ水性アクリル塗料のメタリックグレイ(XF-56)
同じくフラットアルミ(XF-16)。
このあたりにスモークを併用します。
Mr.メタルカラーはとても粒子が細かいですが、テカリを出すためには乾いたあとで磨くことが必要です。また、そのままにしておくと触ったところが落ちてきてしまうため、使い勝手がいまいち悪い(触って指についた銀粉が、黒い部分についた日にゃ…)。
Mr.カラースーパーメタリックは値段が高いですがテカリが素晴らしい。ただ粒子はそれほど細かくないですね。これのスーパーステンレスはクロームシルバーを濃く(黒く)したような感じです。
アルクラッドは粒子がめちゃくちゃ細かいです。でも高い!
…「光る」ということなら、Mr.カラースーパーメタリックのクロームシルバー(SM06)の方が(メッキっぽく)光ります。アルクラッドは、おそらく「アルミニウム」でなく「クロム」であればさらにメッキのようになると思うのですが、「クロム」は持っていない…。「アルミニウム」はその名のとおり、しろっぽいアルミのような輝きです。
エンジンブロックは黒などを適当に混ぜたいろいろなシルバーで塗り分けた後、エンジン全体をマスキングなしで、うっすらと同じシルバーをさっと被せ、ガチャガチャしないように落ち着かせます。
右上の写真のプラグ部分は、NGKのパワープラグコード(自分が付けてた)のようなのを意識して真鍮パイプで適当にディテールアップしておきます。
キャブレターは前回のエア吸入口のメッシュのパーツを本体に付けます。
出来上がった部品たちを、エンジンブロックに取り付けていきます。コード類はキットに附属のものは大抵太すぎるため、市販の細いものに交換します。
ついでにエナメルのフラットブラックでスミを入れておきました。
昔、デッサン(鉛筆デッサン)を習っていたときに、金属のものを描くときにいつも心がけていたことがあります。それは、『指の先(爪)ではじいたときに「カーン」という金属音が鳴りそうか?』ということです。
べつに「チーン」でも「キーン」でもいいんですが(素材による)、紙をはじいたときのような音やプラスチックをはじいたような音が鳴りそうな絵であれば、それはダメだということです。 (重さというかなんというか)
当たり前ですが、エンジンは重い金属です。できるだけ、それを感じさせたいと祈りながら塗装するとうまくいきそうな気がします。
5. ホイール、チェーン
前回のブレーキディスクの中心部をフラットブラックに塗装し、さらにフラットアルミで塗装したあと(←写真が無い…)、マスキングテープを丸く切ってマスクし、シルバーとブラックとフラットベースを混ぜたものでエアブラシ。マスキングをはがして、エナメルのフラットブラックでスミ入れ。くるくる回しながら、わざとムラを付けます。
ホイールはゴールドでそのまま単純に塗装。乾いたら、さきほどのブレーキディスクを接着しタイヤを付けて置いておきます。
チェーンは筆でシルバーで塗装したのち、エナメルではなくラッカーのブラックでスミ入れしました。下のシルバーが溶け出しながらブラックと混ざったり混ざらなかったりで微妙な汚い感じになります。
はじめはRKのゴールドチェーンにしようとしましたが、粒子感がうまくいかない気がしてシルバーにしました。
6. エキパイ(エギゾーストパイプ)、マフラー
ちょっと実験的に、Mr.カラースーパーメタリックのスーパーステンレス(SM04) を吹いたあと、部分的にMr.メタルカラーのクロームシルバー(211)を吹き、上からクリアーを被せました。ラッカーだとメタルカラーの浮きが怖かったので、ウレタンクリアーを使いました。
エンジンブロックの出口すぐの所は熱で焼ける為、スモークとクリアーブルーをまぜたものをわずかに吹きます。 ステンレスのマフラーは、チタンのマフラーのようにカラフルなキレイな色にはならないため、さらにスモークを上から吹いて黒くしています。 でもこれでもちょっと作ってるなぁ…。直さないけど反省しよ。
やっぱりメッキにはかなわないけど、重い感じはこっちのほうがする…。
7. エキパイ(エギゾーストパイプ)の続き
上の記事を載せたあと、追加作業をしました。
少しだけ焼け色を付けたのですが、エンジンやチェーンが新車っぽい仕上げではないため、エキパイにもやや強めに焼色をつけて リアル路線で行くことにしました。
ステンレスのマフラーの焼けというのは、チタンのようにほわっと美しいグラデーションがかかるようなのとはちょっと違い、ガリっと重い、堅い、冷たい色が出ます。
下地に影響がないように、水性アクリル塗料のクリアとスモークを適当に全体に筆で塗ります。エアブラシのぼんやりしたのではなく、筆の強い感じで。エキパイの上で混ぜるような勢いでもよいです。(でもムラには注意して、雰囲気のあるムラにします)
その後、クリア&スモークが乾かないうちに、急いでクリアオレンジとクリアブルーで(面相筆で)ちょいちょいっと「焼け」を描きます。エッジは乾いていないクリアの部分でブレンド(ぼかし)してしまいます(撮影大変だった…)。
場所は、エンジンからの排気ガスが出てエキパイに当たる部分(最初に曲がる部分)などがいいと思います。ここが一番熱くなるので、大抵このへんが焼けてきます。
さらに乾かないうちにスモークで上から描き足します。状況によってクリアも使います。やり過ぎたと思ったら落とせますので安心。
もう片方も同じようにやりますが、このエンジンはどう考えてもそれぞれが同じようには焼けないはずなので(カタチが全然違うので)、考えて描きます。
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思い出しました。このMHR900を見てから私のプラモの塗装材料が変わったんですよ!以前はまだこのようにまとまってなかった(失礼!)と記憶しています。『指の先(爪)ではじいたときに「カーン」という金属音が鳴りそうか?』←金言ですね。
awaseさん コメントありがとうございます、この制作日記は最初からこの文章のままです。もしかしたら、違う方のと勘違いなさっているかもしれません。
もうだいぶ昔のものなので、他の制作日記も是非ご覧ください(^^)
そうですか・・私の記憶違いなのかもしれません。
ただ、WANDAの缶と同じフレームに入った画像や路上との合成写真は初めて拝見させていただいた時に鮮烈な印象を持ったことは間違いありません。これからも素敵な作品を世に送り出してください。
いちファンとして期待しております。
awaseさん そのような言葉をいただいて、本当にありがとうございます。
続けるのが大変で、やめてしまおうかと思うときもありましたが、なんとか続けてこれたのはこうした言葉をいただけるから、かもしれないです。